| ◎SASの危険性 |
睡眠時無呼吸症候群はなにが問題になるのでしょうか。大きく分けると2つになります。1つは患者さん本人への悪影響、もう1つは周りへ
の影響です。自分への影響は生活習慣病です。SASが生活習慣病を悪化させたり、発症させたりするのです。
SASは生活習慣病の起爆剤といえるでしょう。周りの方への影響は眠気による事故などです。
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| ◎生活習慣病 |
SASの研究が始まった1980年代ごろから、SAS患者さんは、健康な人と比べて早死にすると言われていました。原因は心臓病などだろうと
言われていましたが、きちんとした調査がされておらず、はっきりしたことはわかりませんでした。
しかし、近年では、高血圧や心臓病、糖尿病など生活習慣病とSASの因果関係がいろいろな研究からわかってきました。その結果「SASは
生活習慣病を呼ぶ!」といえるようになりました。健康な方と比べて中等症以上のSAS患者さんは高血圧や狭心症、心筋梗塞といった循環
器の病気、脳卒中や勃起不全など種々の合併症になりやすいとの報告があります。 |
| ◎労災・交通事故(社会的影響) |
SASは昼間眠たくなると前に書きました。この眠気ですが、車の運転中、工場での作業中、会議中、商談中、いつでも時と場所を選ばず襲
ってきます。そのため、労災、交通事故を引き起こし、作業効率が下がり経済的損失にもつながります。
アメリカではこの眠気による損失を国家的に見直そうと、1990年代からWake Up America!というプロジェクトができ、すでに報告書がでてい
ます。この中にはスペースシャトルのチャレンジャーの打ち上げ直後に爆発した事故、整備作業員の眠気による作業ミスの事故と書かれて
います。日本でも今世紀に入り、厚生労働省が睡眠に関して取り組みを始めています。交通に関係している業界では、国土交通省の指導
の下、SAS診断を義務付ける等、国、企業、団体一丸となって交通の安全に力を注いでおります。 |
| ◎SASの診断方法 |
夜の睡眠や呼吸状態は専門の検査機械を使用して検査・診断します。
主に終夜睡眠ポリグラフ(PSG)と呼ばれる検査機器を使用します。脳波、呼吸状態、動脈血酸素飽和度、体位、心電図などをトータルに
測定します。取り付けるセンサー類はたくさんありますが、針をさすなどの痛みを伴うものはありません。ただ、窮屈に感じるかもしれま
せんが、なるべくリラックス、いつもの睡眠をとるようにしてください。 |
| ◎SASの治療方法 |
まずは、生活習慣の改善が必要です。太っている方は、減量することで首の周りの脂肪も減り、無呼吸が軽減されます。それ以外にも、
禁煙やアルコール摂取なども控えるようにしましょう。
外科手術は、喉の閉塞する部位を手術によって切り取る方法です。SAS専用のマウスピースを作成し、下あごを上あごより前に固定する
ことで気道の面積を広げる治療法などがあります。
CPAP治療は鼻から専用のマスクを通じて、気道に空気を送り込み気道を広げておく療法です。睡眠中のみ使用します。
SASの治療法として確立している療法で、高血圧などの合併症の予防、改善効果があると立証されており、全世界でSASの治療法として
もっとも普及している方法です。 |
| ◎おわりに |
厚労省では睡眠1時間あたりの低呼吸数が20回以上おこる場合では、5年後の生存は84%(5年後の死亡率は16%)と報告されています。
睡眠時無呼吸症の検査や治療には健康保険が適用します。
睡眠時無呼吸症候群に心当たりのある方は専門病院・クリニックを早期受診し、早期治療を開始しましょう。 |